こんにちは。てていです(@tetei_p)
今回は『石灰沈着性腱板炎』(せっかいちんちゃくせいけんばんえん)のお話です。
私は左右の肩にこの病気を発症したんですが、2回の治療経験と自分なりに導き出した原因そして日頃気を付けていること、こういったテーマでシェアしていきたいと思います。
いきなり結論から言いますと、この病気の原因は私の場合『カルシウム不足』でした。
目次の後、詳しくお話していきます
Contents
石灰沈着性腱板炎とは
以下、日本整形外科学会からの引用です
【症状】
夜間に突然生じる激烈な肩関節の疼痛で始まる事が多いです。痛みで睡眠が妨げられ、関節を動かすことが出来なくなります。
発症後1~4週、強い症状を呈する急性型、中等度の症状が1~6ヵ月続く亜急性型、運動時痛などが6ヵ月以上続く慢性型があります。
【原因と病態】
40~50歳代の女性に多くみられます。肩腱板内に沈着したリン酸カルシウム結晶によって急性の炎症が生じる事によって起こる肩の疼痛・運動制限です。
この石灰は、当初は濃厚なミルク状で、時がたつにつれ、練り歯磨き状、石膏(せっこう)状へと硬く変化していきます。石灰が、どんどんたまって膨らんでくると痛みが増してきます。そして、腱板から滑液包内に破れ出る時に激痛となります。
【診断】
圧痛の部位や動きの状態などをみて診断します。
肩関節の関節包や滑液包(肩峰下滑液包を含む)の炎症であるいわゆる五十肩(肩関節周囲炎)の症状とよく似ており、X線(レントゲン)撮影によって腱板部分に石灰沈着の所見を確認する事によって診断します。石灰沈着の位置や大きさを調べるためにCT検査や超音波検査なども行なわれます。
腱板断裂の合併の診断にMRIも用いられます。【予防と治療】
急性例では、激痛を早く取るために、腱板に針を刺して沈着した石灰を破り、ミルク状の石灰を吸引する方法がよく行われています。三角巾・アームスリングなどで安静を計り、消炎鎮痛剤の内服、水溶性副腎皮質ホルモンと局所麻酔剤の滑液包内注射などが有効です。
ほとんどの場合、保存療法で軽快しますが、亜急性型、慢性型では、石灰沈着が石膏状に固くなり、時々強い痛みが再発することもあります。硬く膨らんだ石灰が肩の運動時に周囲と接触し、炎症が消失せず痛みが続くことがあります。痛みが強く、肩の運動に支障がありますと、手術で摘出することもあります。
疼痛がとれたら、温熱療法(ホットパック、入浴など)や運動療法(拘縮予防や筋肉の強化)などのリハビリを行います。
左肩の違和感
私の場合は、ここからはじまりました。約2~3カ月放置していましたが、だんだん腕を上げるのがキツくなってきていて、職場の目の前に整形外科があるので、そこで石灰沈着性腱板炎と診断されました。
そんな一瞬のことで腕が上がるなら(治るんなら)やってもらおうじゃないのと意を決してお願いしてみる。
吸引後の注射器を見せてもらうと、白く濁った液体が。これが『石灰』なんだってー。
「はい、腕上げてみて」と言われ
おぉぉ~~!
腕上がるやん!なになにこれこんなソッコー劇的な治療法があんのねと意気揚々で帰宅後・・・・
30分ほどして経験したことのない激痛がみるみる襲ってきた。なんだこれ。副作用か?治療前よりもひどくなってきた。慌ててクリニックに電話
そんな命レベルで大事なことをなぜ早く言わない。
ていうか麻酔??診療明細を見ると『キシロカイン注ポリアンプ』と『オルガドロン注射液』とある。ほんとだ。キシロカインが麻酔薬でオルガドロンはステロイドだ。
後で調べたら、この吸引注射、耐え難い激痛らしい。でも、私は全然痛くなかったのはキシロカインのおかげだったのかな
んだよー早く言えよぉぉ~わかってたら受付で水もらってすぐ鎮痛剤飲んだのに。時すでに遅し。こんだけ痛くなってからではもう鎮痛剤の効果なし。とりあえず飲んだものの、激痛で横にもなれないので座って一夜を明かすことに
タガメットを試してみる
『劇的な回復』と感じたのは吸引後だけで、予後は痛みはないけど、かなりひどい左肩のダルさを感じつつ過ごしていました。10日に一度、ステロイドの注射を打ってもらうもあまり良くならず。毎日ネットで調べまくった結果『タガメット』に一定の効果があるという記述を何件も見つけ、医師に相談。試してみることにしました。
『タガメット』は一般的に胃薬として用いられ、一般名(成分名)は『シメチジン』。市販薬で言うガスターなどと同じH2ブロッカーというカテゴリに入るお薬です。
このタガメットが肩関節に溜まった石灰を消してくれる(正確には散らす、吸収する)というのは割と有名な話だそうですが、メーカー側が推奨しているわけでもなく、添付文書にもそのような記載はありません。
そして三か月後のレントゲンの結果、きれいに石は消えており完治に成功。
ただ。これだけの症例があるにもかかわらずなぜ認められていないのかというと多分、明確な作用機序(なんで効果があるのか)が不明=効果にはバラつきがあり、薬理学的にH2ブロッカーとの関連性が謎。とかそういうことなのかなと勝手に思っているんですが。
ま、いいや。治ったんだし。本当に全く跡形もなく石灰がなくなっていました。あんなにダルかった肩も軽くなり、腕も上がるしがんばって服用した甲斐があったなーと思っていました
まさかの再発。今度は右肩
それから約2年後のある日。今度は右肩でした。それは左肩の時とは全く違う状況で起きました。
仕事中、みるみる短時間で肩が上がらなくなってしまったんです。土曜日だったため整形外科も午前中で終わり。
痛みはどんどん激痛に。鎮痛剤も効かない、痛みで七転八倒とかいうけど、私はその逆。
痛すぎて1ミリも動けない呼吸しても痛い。
左肩の時にさんざん調べてわかっていたので「もしかして・・・」とは思っていました。おそらく冒頭に記載した日本整形外科学会の
石灰が、どんどんたまって膨らんでくると痛みが増してきます。そして、腱板から滑液包内に破れ出る時に激痛となります
を思い出した。きっと石灰が破れ出てしまってるのかも・・・人によっては救急車を呼んでしまうほどの痛み。とも聞いていたのがこれか・・・
またしても土曜日曜とも眠れず、座って夜を明かし月曜日に市民病院へ。かかりつけのクリニックは最悪なことにお盆休みでしばらく休診だった。ほんとついてない・・
レントゲンの結果、やっぱり再発していました。当時のレントゲン写真です。赤く丸で囲んだ部分にうっすらと見える白いモノが石灰です(クリックすると拡大できます)
- 右肩。赤で囲んだ丸の中に石灰が・・・
- 症状のない左肩
吸引をお願いしたけどなぜか「やっても一緒」と言われ叶わず・・・ステロイドの注射と鎮痛剤、テープ剤をもらっただけ。ま、レントゲン撮ってもらいに行っただけという感じでした
再びタガメットに挑戦
お盆休み明け(これが長かった・・・激痛は少しマシになったものの、右腕が全く動かせないので、家族に介護してもらいつつ左腕だけで生活していました)いつものクリニックが開くのを待ってアサイチで飛び込み、吸引をしてもらったのですが、今回は左肩のときと違ってとんでもない激痛が襲いました。あまりにも痛がる私をギュっと抱きしめるように抑えててくれた看護師さんには感謝しかない。
今回は、前回の経験を活かし、受付でお水もらって最速鎮痛剤を服用。よしっ
おかげで、術後の痛みは全くなく、腕も上がるようになりやっと少し平穏な日々が戻ってきました。
そしてまた再びタガメットの服用を希望して3カ月間続けました。3か月後、受診するころにはすっかり完治し、腕の痛みだるさも全くなくレントゲンの結果にも自信がありました。
がしかし。
あら???石、消えてないじゃん???
なんでなんでなんで???
ほんとにごくうっっっすらと石がある。でも拡大しなきゃわからないぐらい。
ドクターの見解では、これ以上服薬をつづけてもあまり効果はないと思うし、自覚症状がないのであれば、良しとしましょうということに。
そうですね。またあの痛みが来たら・・・と思うと不安だけど納得しました。
通常は、こういうものができても自然と体内で吸収されていくものなので、様子を見ましょうということになり、また痛みが出るようならばすぐ来てくださいということで(ええええ、行きますよ。すっ飛んでいきますわ)長かった治療期間を終えることになりました。
今となってはタガメットの効果については、確実なものではないということが経験からの個人的な見解です。
でも、試してみる価値はあるかも。ま、いずれにしても医師と相談のうえで判断されたほうがいいと思います
なぜ、こんなことになるのか?分析してみた(私の場合)
この石灰沈着性腱板炎、原因は不明という記述もあれば、加齢(発症年齢40代~50代の女性に多いため)水分不足など、いまいちハッキリしない。水分不足は防げても加齢はどないもならん。
そんなとき、健康診断の無料オプションで骨密度を測ってもらう機会があり、結果が同世代の平均値より少しばかり低いことが分かったんです。
同じころ、勤務している薬局でなんとタイムリーなことに『骨密度測定会』をやったんです。測定器を借りて、患者さんに無料で測定してあげるというプチ・イベントでした。その測定会で患者さんに配るカルシウムについての資料をたまたま見ていたところ
『人間の体はカルシウムが不足すると、骨はそれをを補おうと自ら溶けだしていきます。それが本来あってはいけない場所、血管や内臓、関節に付着してしまうのです』
これだ。
これは『カルシウム・パラドックス』という現象で、カルシウム不足なのに骨が溶け出してしまったために血液中のカルシウム濃度が高くなり動脈硬化症の原因になってしまうことをいいます。
カルシウムを採る
そうとなれば早速カルシウムについていろいろ調べ始めた私。やはりここはサプリメントに頼ろう。
でも、一口にサプリメントといってもピンからキリまである。よくよく調べた結果、私がたどり着いたのが『ネイチャーメイドのカルシウム・マグネシウム・亜鉛』
私のチョイスのポイントは
- 続けやすい値段であること
- カルシウムを摂取することで逆に不足しがちな栄養素が入っていること
値段はやっぱり重要です。私が勤務している薬局にもカルシウムのサプリメントを売っていますが、一瓶3000円とかします。なかなかのお値段です。しかも、配合成分はカルシウムだけ。カルシウムを摂取することで不足しがちになるのが『マグネシウム』ここが補われていないので却下。
『ネイチャーメイドのカルシウム・マグネシウム・亜鉛』なら、チョイスのポイントを全て満たしてます。私はこれをもう約5年以上続けています。
自宅用と職場用に2つ購入しており、1日3回かかさず飲んでいます。
そのおかげで、服用開始から初めての健康診断での骨密度検査では、同世代平均を上回る結果となりました。※石灰沈着性腱板炎も発症していません
※自覚症状がないという状態。体内に石はあるかもしれませんが
その後。普段私が気を付けていること
とはいえ、また再び発症しないとも限りません。私が普段から気を付けていることはこのサプリメントを採ること以外に
- 水分摂取
- 適度な運動orストレッチ
- 夏場は特に気を付ける
- 肩を冷やさない
水分摂取
なぜかはわかりませんが、この病気は水分不足の状態で発症しやすいと言われています。
なので、季節問わず水分摂取を心がけています
適度な運動orストレッチ
これは万病予防にいえることですね。私は早朝に散歩をしています。あとはPC作業が続いたときなどはよく肩を動かしています
夏場は特に気を付ける
左右の肩とも発症したのが『夏』だったんですね。先の水分不足とも関係があるのかもしれませんが、私だけではなく母親も、近所の方も発症したのが夏だったので偶然ではないと思います。
夏場は要注意です
肩を冷やさない
これも、夏場特に気を付けたいポイントです。私は真夏でも長袖をよく着ています。ノースリーブなんてもう何年も着ていません。寝る時も長袖のパジャマを着ています。
あと、些細なことですがお風呂からあがったとき、肩周辺の水分はよくふきとるようにしています。濡れたままだと確実に体は冷えます。これは関節痛や腰痛などにもいえるんじゃないかなーと思っています
今現在も、ときどき『もしかして・・・』と思うような鈍い痛みが起きることがありますが、自分なりに対処しつつ過ごすことができています。
石灰沈着性腱板炎を患っていらっしゃる方にとって何かヒントになれば幸いです