こんにちは。てていです(@tetei_p)
今回は、調剤薬局向けのPOP広告の作り方についてです。
こういった要望にPOP作りのヒントを提案できると思います。
※ここでご紹介するPOPは全てPCで作成したものですが、PCだけに限定されるものではありません。手書きPOPでも同じことが言えると思います
有益な情報でも見てもらえない
製薬メーカーさんがくれるポスターや資材は内容はもちろんデザイン、構成まで全て完璧です。が、特定の薬を飲んでいる方のみに向けたものだったり、全ての患者さんが興味を持ってじっくり見てくれる内容のものが意外と少ないのです。
例にとると『便秘』に関する資材。原因にはじまり便秘の種類、養生法まで何ページにもわたって詳しく書かれてあります。それを待合のイス付近に置いていても手にとる人はあまりいません。便秘に悩んでいてもそんな有益な情報が置いてあるのに気づかない人がほとんどです。
ですがその内容を一枚のPOPにまとめ壁に貼っておけば、わざわざ資材をめくる必要はありません。悩んでいる人はもちろんのこと、『そういえば』というさして問題視していない人の目を向けさせることもできます
『便秘』に関する作成例
ここで、実際に私が作ったPOPの例を載せてみます

ある便秘薬の宣伝POPになっています。あえて商品名を書いていないのは、これを読んだ人が『ここに書いてある便秘薬ってどんなものなの?』と聞いてくれることを狙っています。
商品名を掲げてしまうと『これください』で終わってしまい、こちらから話を聞く機会を失ってしまうからです。
実際、これを壁に掲示していると熱心に読んでくれている方がけっこういらっしゃいます。そして気になる方はこちらが狙った通り訊ねてこられるので商品の説明もスムーズです
一方、商品自体を説明したい場合はこんな感じになりました

古くからある便秘薬『大草丸』の宣伝POPです。これは、配布用として作成しました。
配布は手間はものすごくかかりますが、後日このPOPをお薬手帳に挟んで持って来られる人、電話での問い合わせなど、地道に続けるといずれは返りのある商法です。
実際、購入された方には商品にこんな養生法のPOPと整腸剤のサンプルを付けて販売していたこともあります。ここに関しては、すでに購入された方に向けての訴求なので、じっくり読んでもらえるだろうということで文字も多めです

人は文字を読まない
POP作成をしてきて気づいたのがこれです。そもそも人は文字を読みません
壁に貼った一枚の紙にずらずらと書かれた文字だけのPOPは、どんなに有益なことが書いてあっても、大半の人は読みません。POPを作成するとき私が気を付けているのはできるだけ文字を少なく、イラスト多めにということだけです。
イラスト多めのPOP作成例
これは、お薬手帳を持参することで自己負担額が軽減されるというルールを患者さんにわかりやすく説明したPOPです。レジ前に掲示していると患者さんの目線がなぜか動かない・・・・というときは大抵、このPOPを見ておられます

また、2枚目の処方箋を持って来られた場合の自己負担額軽減策についてのPOPも作成。これは令和2年4月から施行されましたが、それ以前に配布で予告を行い、ココだけの特典のような特別感をアピールすることで持参率を上げようと試みました

施行以後も局内に掲示していると、気になった方何人かに質問をされたこともあります。実際、少しでも安くなるならとこちらをかかりつけ薬局にと決めていただいた方もあります。
こういうPOPは製薬会社側では用意してもらえません。私の勤務先は完全なる個人薬局なので大手チェーンのように完成されたPOPを作ることもできません(都道府県によっては薬剤師会などで独自に作成されている場合もあるかもしれませんが)
お薬手帳をもっとアピールしたい
阪神淡路大震災から普及したお薬手帳ですが、今でもその有用性や使い方などを知らない人が本当に多いです。中にはきちんとした管理をされている方もいらっしゃいますが、医療機関ごとに何冊も手帳を持っている人なんて日常茶飯事。
だけど、それをお一人お一人に懇切丁寧に説明している時間の余裕はこちらにはありません。そんなときはPOPが超・最強に便利。ヒトに変わって常にアピールしてくれる心強い存在です

かなり文字は多めですが・・・その分イラストをふんだんに使って文字だけで飽きさせない工夫をしてみました。背景の色を分けることで、自身に該当する項目だけをサラっと読むことができるようにもしました(多剤服用されている方、小さいお子さんのいるお母さんなど)
これを見た方が『お薬手帳って持ってきた方がいいんだね』とか『ただ持ってるだけだったけど、こんな風に使うのね』など、嬉しい感想をたくさんいただけるようになりました。
感想を言わずとも、じっくり熱心に見ていただいているだけで作った甲斐があるというものです
番外編『ブラックボード』
レジ付近に小さなブラックボードを掲げているのですが、そこにも患者さんの目線が行きやすいように、また待ち時間を少しでも短く感じてもらえるように手書きイラストで手の洗い方や、熱中症のセルフチェック法など季節的な話題を簡潔に書いたりしています
中でも人気があるのは『川柳』。新聞や人気本『シルバー川柳』などに掲載されている、クスっと笑えるものを4~5点ほど書いてイラストつけるだけ。カンタンです。レジ前のイスで何やらニヤニヤしている人がいたら、よし!ってなります。

中には、携帯で写真を撮ったり手帳にメモしていく人も。連れの方がいたら顔を見合わせて笑っていただけたり、みなさん川柳は大好きなようでオススメです。
さいごに
私の理想は手書きPOPを短時間で魔法のようにサラサラ~~って書きあげてしまう、ドンキホーテのPOP職人と呼ばれる方たち。憧れです。
でも、PCでもアイデアや工夫次第でこんなにも人を惹きつけることができるんだと実感しています。
日々、POP作成に奮闘されている方の参考になれば幸いです
